「生徒さんが”楽しい!””面白い!”と実験をしながら工夫してくれます」 <修了生インタビュー 〜横山仁子さん〜>

修了生インタビュー

Self Quest Labインタビュー企画第1弾!
今回はラボ・クラスの記念すべき初の修了生、そしてATI教師資格を得られたピアノ教師でもあるピアニスト・横山仁子(よこやま じんこ)さんにお話をうかがいました。

教え方が以前とは全く変わりました

━━ラボ・クラス(教師養成コース)を卒業し、ATI(アレクサンダー・テクニーク・インターナショナル)の教師資格を取得され、最近はいかがですか?

常に考えているのは「自分が良い状態でいる時に何が起こるかな?」ということです。自分にとって“良い状態”とは、心身が柔軟に動き、直感力が冴え、気持ちが躍動するような状態。幼い子供と同じように好奇心に溢れている状態だと思っているのですが、そういう時に自分自身に何が起こるのか?周りの人にもその波動が伝わるのか?といったことを探究しています。

そんな中、ピアノの教え方が以前とは大きく変わったという実感があります。アレクサンダー・テクニーク(以下AT)をレッスンに活用すると、生徒さんが「楽しい!」「面白い!」と、どんどん実験をしながら工夫してくれます。
つまり、固定観念が解かれて、自ら可能性を見出して行くんです。
結果、音も良くなるし、自然と上手になっていく。先日のレッスンでも、ショパンのエチュードを弾きたいとおっしゃる大人の生徒さんが、今まで苦労していた部分がすんなりと弾けるようになりました。ご本人は「えっ!弾ける!こう弾きたかったんです!」「今まで何だったんだろう?」と驚いていました。教え込むことなく、自ら変化して行くのですから、ATマジックでしょうか?不思議なことです。

数年前から始めたブログでは、宣伝効果を狙うのではなく、日頃自分が気づいたことを書いています。その中には、もちろんATや音楽活動の話題が多いのですが、私の発信したものに共感してくれる人とご縁ができたらいいなとは思っています。そして、繋がった生徒さんにATを含む自分なりの独自のレッスンができたら、と思っています。

今現在は、自分自身を整え、目の前にあることに誠実に向かっていることで、良い出会いやご縁が生まれていると感じています。

安心安全な場で人と出会って、その場所で経験し身体的に感じたものは言葉以上に大事なもの

━━ ラボ・クラスで学んだ思い出や印象に残ることは何ですか?

少人数で主体的に学べたことが一番良かったと思っています。自分が学びたいテーマに気兼ねなく取り組める場でしたね。自分自身への探究は面白くて、人と比較している暇などなかったです。ここでは、学びのスピードを自分で選べるので、納得しながらじっくりと探究ができたように思います。

それから、運営が誠実だとも感じました。教育方針や生徒を導いていくやり方もとても良かったです。
「生徒自身に実験させたい」という意図があり、生徒に考えさせる時間を与えてくれたのがありがたかったです。ここで細やかに経験させてもらえたことは身体が覚えていて、実生活でも活かすことができています。クラスのテーマ設定や生徒に投げかける内容も絶妙で、教え過ぎずに考えさせ、まとめる時間をじっくりとってくれました。だから、その後も日常で探究が続く・・・という学びの連鎖がありました。先生たちの指導スキルや経験があってこその素晴らしいクラスだったと思います。

また、生徒も先生もお互いに配慮のある環境でしたね。“安心・安全な場”において、経験できることを体得できたのは、言葉以上に大事なものだったと思っています。

在籍中にコロナ禍でオンラインクラスになった時期がありました。最初は画面を見る授業に違和感を感じていたけれど、回を重ねながらオンラインでも学ぶことに慣れ、何の問題もなかったです。大怪我で長期入院した際は、病室で受講をしながら学びを継続することができました。そして、何より、ATが怪我の回復への道のりを大きく支え、驚異的なスピードで全快へと導いてくれました。学びが即座に実践へと結びついた貴重な経験でしたし、オンラインの利便性と有効性を一層感じた機会でした。

私自身も現在オンラインで幾つかのレッスン(ピアノ、AT )をしていますが、相手の動きをよく見るようになっています。そして、自分が体験したことを活かして、程よい間を置くことを意識しながら、快適な対話を心がけています。画面で見えない範囲にも心を配り、オンラインだからこそより自分を“良い状態”にして、誠実に臨んでいます。

自分の中に内在していても気づいていなかった部分が揺さぶられ、大きな気づきがあった

━━ ATI教師資格を取得した理由と、試験を受けての気づきなどは?

ATを学ぶ到達目標のひとつに教師資格取得がありました。経歴にAT教師資格が増えることは自分の励みになるし、家族にとっても嬉しいことです。それから、ATは元々海外で生まれたものなので、どんな文化的背景があるのか知りたい、日本人とは違う思考や教育文化を持つ海外のAT教師たちの考えに触れてみたいと思う気持ちも大きく、ATI教師資格へチャレンジしました。

ATI資格取得試験は結構大変なプロセスではあるけれど、3回の資格試験の最中に「なぜこれを学んできたのか?」「自分は何を求めて学び、何に向かっていきたいのか?」をその度に考える機会となりました。さらには、実技試験の中にもたくさん新しい経験や学びがありましたね。ですから、私にとっては、とても有意義な時間だったと思っています。

資格試験を経験した今、「実際に体験することで世界観が広がった」「経験は全て財産になる」「自分の中に内在していても気づいていなかった部分が揺さぶられ、大きな気づきがあった」と感じています。

━━ 後輩の皆さんへ、またこれから学ぶ人へメッセージをお願いします。

自分を知るって楽しいですよ!
ATの魅力がそこにあると言っても過言ではないと思っています。人生が本当に変わってくるし、豊かになる!

(身につけてきたチャームペンダントを指しながら)…
「行動は雄弁なり!」(byシェイクスピア)
迷うならば、とにかく学んでみてはいかがでしょうか?

━━ 今後の夢は?

子供や若者たちにATを伝えたいですね。そして、教育現場の先生や指導者の方々にもぜひ知って頂きたいです。早期教育が叫ばれている今、私は、むしろ早いうちに身体や心を整える方法を教えることが必要だと思っています。
また、コロナ禍を経験した今、萎縮した心身へはたらきかける方法としても多くの人に伝えたいです。

そして、これは、夢というより目標になりますが…初めに話した通り、自分自身が“良い状態”でありたいです。何かができるということより、心身がしなやかに動き、「人として、美しく存在する。」それが、私の一番の大きな目標です。

*編集後記*
仁子さんは元々ご自身が関心を持っていたテーマを、自律的に主体的に少人数でじっくりと学べる環境を求めていらした方でした。「自分のことを知っていくことは本当に面白いです。」と晴れやかな表情でお話しされる仁子さん。このラボ・クラスの学びに満足感を得ていただけたと伺い、私たちもとても嬉しく勇気をいただきました。

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